2021/07/11
これまで脳の中のリンパ組織は無いと思われてきました。しかし、最近になって、それは見つけられなかっただけで、実は存在していたとAntoine Louveau氏らの研究が証明しました。
「中枢神経系にリンパ管が存在しない」という長年の概念が覆されたました。中枢神経系リンパ系の発見は、神経免疫学における基本的な仮定の再評価を必要とする可能性があり、免疫系機能不全に関連する神経炎症性疾患および神経変性疾患の病因に新たな光を当てるでしょう。
細胞外に排出された老廃物を運搬し焼却する主なシステムがリンパ系システムです。
細胞と細胞の間は血管から漏出した体液で満たされています。細胞から排出された老廃物を含む体液はリンパ液となって全身に張り巡らされたリンパ管に入り、徐々に太いリンパ管へと合流し、最終的には血管に流し出されます。
その間、リンパ液や中継地であるリンパ節に存在するマクロファージなどの白血球によって老廃物は取り込まれ、細胞内の酵素などで処理されるのです。
このように体の老廃物を排泄・処理するリンパ系システムは全身に張り巡らされているが、不思議なことに脳内ではリンパ系システムが見つかっていませんでした。脳神経細胞からも日々多量の老廃物が排出されているにもかかわらず、どのようにして脳内から老廃物を除去しているのか不明でした。
ロチェスター大学の研究者たちは、脳内のリンパ系システの詳細な構造と機能を世界で初めて明らかにしました。
とりわけ睡眠研究者の耳目を引いたのは、このシステムが睡眠中に非常に活発に働く点です。
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