2021/03/10
誰もが毎日数回行う食事。食べるという行為。
当たり前のようで当たり前でないような。
これも障害になり得ることが多少の驚きではありますが、
上手に食べることが出来ない人がいます。
思春期の女性は人前で食べることができないことがあります。
また特定の人との親密度を高めたいときは何度が食事を共にすることが効果的です。
摂食障害は、食行動の障害を呈する精神障害の一種です。
主に拒食症と過食症の総称です。
心理的なストレスが原因となる場合が多いようです。
また、リストカットなどの自傷行為、アルコールや薬物の乱用、重篤な爪噛み、抜け毛といった行為が見られることが多いようです。
私も摂食障害の思春期の女性のトレーニングをしたことがありますが、彼女手首にも多数のリストカットの痕がありました。
なお、摂食障害の患者は強迫的な性格傾向が強いとされます。
最近長引く自粛生活の中食生活が乱れたり、食にストレス解消を求めたりして体重が増えている人が多いように感じます。それをコロナ太りなどと言っています。家にいることが多く運動量が減ったことも一役かっています。
一般に中流以上の家庭、両親・または片方の親が高学歴など社会的地位の高い家庭の女子に多く見られます。
拒食症患者は例外なく「平凡恐怖」を抱えています。
自分に自信がない彼らが社会で生きていくためには、誰もが目で見てわかるような外的価値を獲得するしかありません。
学歴、職業、地位、才能、ブランド、そして贅肉のないスリムな体型はその最たるものです。
自分を信じることができない彼らは、他人を信じることができません。
自分を愛せないことは、他者を愛することを不能にします。
それでもなんとか自分を愛するために、自己不信を克服しようとダイエットに依存するようになるのです。
過食は拒食のリバウンドで本当はやせたいのに食べてしまうため、その埋め合わせに嘔吐をし、ときには下剤や利尿剤を用います。
過食行動は憤怒、自暴自棄、絶望、孤立無援感、抑うつ、空虚感などの境界例心性につながります。自分が見捨てられる恐怖が強まったり、寂しい時、自分は無力で無価値であるという否定的な感情が高まった時に起こります。
食べるという最も基本的な必要不可欠な他人の生活の要素にまで病理が忍び込んでくることに重い気持ちがします。
皆で楽しく飲んだり、食べたり、歌ったりしたいものです。
過食や拒食を止めさせようとする試みは症状を悪化させることが多くお勧めできません。
摂食障害は行動の異常ではなく、自己意識が原因なので、なぜありのままの自分には価値がないと感じるのか、自分を好きになるにはどうしたらよいか等の問題を取り上げることから治療が始まります。
ここでも改めて自己意識の大切さを感じます。
自分が好きですか?
あなたにとってあなたはどんな人ですか?
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