2021/02/15
パーキンソン病
パーキンソン病は主に50~65歳で発症し、高齢になるほど発病する確率が高まるる進行性の疾患です。
手足のこわばりといった軽い症状から、最悪の場合は寝たきり状態になることもある、現代の医学では完治が困難な難病として知られています。
パーキンソン病は、手足の震えや筋肉のこわばりなど運動障害が現れるため、動くのが億劫になって生活の質が下がり、最終的には寝たきりになってしまう人もいます。
パーキンソン病を発症すると、神経伝達物質「ドーパミン」が減少し、それによって体の運動機能に障害が出るとされています。
ドーパミンの減少は、中脳の中にある「黒質」と呼ばれる部分で起こります。黒質内のドーパミン神経が変性しその部分に異常なタンパク質が集まることが確認されています。
パーキンソン病の症状の主なものは、手足の震え、こわばり、自発的な行動の減少です。そして筋力が低下してすます活動しなくなるという悪循環に陥る可能性があります。
初期のパーキンソン病では、身の回りのことは行えますが、症状が進行するにつれ、排泄や着替えといった日常生活に必要なことが自分でできなくなり、介護が必要になります。
さらに運動障害だけでなく、自律神経が乱れ、「便秘」「排尿障害」「発汗異常」などを引き起こします。病気に対するショックやパーキンソン病そのものの症状により、うつ病を発症したり、幻覚や妄想が現れたりすることがあります。
そしてパーキンソン病が進行すると、心身に安らぎを与え精神の安定をもたらす「セロトニン」などの神経伝達物質の分泌にも影響が及び、不眠症になることがあります。
外からの刺激に鈍くなったり、判断力や記憶力が低下したりします。場合によっては、認知症とよく似た状態になることがあります。
このように普通パーキンソン病の症状と思われる手足の震えだけでなく、思ってもみなかった症状につながります。
ではパーキンソン病になってしまったらどうしたらよいのでしょうか?
その対処法を上げていきます。
まず運動をしましょう。病状を悪化させないためには、適度に運動をすることが大切です。そうすることで、筋力の低下を防げるだけでなく、ドーパミンの増加にもつながります。
ドーパミンの分泌との関係性が指摘されているパーキンソン病。ドーパミンを増やす努力をしましょう。
幸福感を得られ、やる気を高める役割を果たすドーパミンは、好きなことや得意なことをすることで分泌が増えるといわれます。
また、何かを達成したときの報酬により、ドーパミンの分泌が活性化されるともいわれています。達成できそうな目標を立てて、達成するたびにご褒美を得られるような設定にするとよいでしょう。
好きなことを楽しみながらたくさん笑うこともおすすめです。
医食同源、食事にも気を付けましょう。ドーパミンの原料「チロシン」を含む乳製品やアーモンド、大豆、かつお節などを多く食べるように勤めましょう。
パーキンソン病の最も一般的な治療法が薬物療法です。患者の容体に応じて、服用する薬の種類や服用量、薬の組み合わせなどは異なり、いずれも医師の処方が必要です。
薬で症状のコントロールができないと次の手段として手術があります。
まずは凝固術、これは脳内の特定の部位に熱を加え焼き切る手術法です。熱を加える部位により、手足の震えや、運動症状の改善が期待できますが、全員に効果があるわけではありません。
こんな侵襲的な手術をして効果が限定的だったり無かったら目も当てられません。次は脳深部刺激療法。これは脳の深い部分に電極を設置し、胸には専用の装置を埋め込んで絶えず刺激を与え、神経細胞の活動を休ませます。
体に異物を残すというデメリットがありますが、凝固術のように脳内組織を破壊せず、同様の効果が得られるといわれています。
パーキンソン病は難病で完治は難しいのですが、治療技術はかなり進歩して来ています。私はTMS、磁気刺激法でパーキンソン病の患者の手の震えの止まるのを見たことがります。
磁気の周波数を変えると止まった震えが再発しました。特定の周波数の磁気に反応するようです。
また脳波のアルファ波がドーパミンの分泌を促進させます。アルファ波を増幅させるトレーニングも効果がありそうです
パーキンソン病を患うと、運動機能障害だけでなく、うつ症状・認知症状などの非運動症状も起こるため、患者の生活の質が低下します。それを防ぐには、周囲のサポートが重要性を増します。
パーキンソン病は難病で完治させたりできる治療法はなく、対症療法が中心です。
パーキンソン病は致命的な病気ではありません。発病後は、症状一つひとつとしっかり向き合い、医師に適切な処置を施してもらいながら、患者本人も家族も楽しく生活できるように工夫をすることが大切です。
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