2021/01/09
かつて多重人格と呼ばれたものが今は解離性同一性障害(Dissociative identity disorder)と呼ばれます。これは解離性障害の一つです。
解離性障害とは耐え難い経験をしたときにそれを自分の経験ではないと感じたり、その時の感情や記憶を切り離すことでダメージを回復させようとすることで起きる障害です。
解離性同一性障害は、その切り離した感情や記憶が発展し別人格となり表に現れます。
乖離(かいり)は誰にでも起こります。ショックなことに見舞われると目眩を起こしたり、気を失ったりします。それを乖離と呼びます。
それがさらに大きな精神的苦痛が耐性の弱い子供に起こり、限界を超えると体外離脱や記憶喪失で自分の心を守ろうとします。これが一過性のものならまだ障害とは呼びません。
このような状況が繰り返され慢性的になり、生活に支障をきたすようになると解離性障害です。
解離性同一性障害は切り離した自分の感情や記憶が成長し、それ自身がひとつの人格のようになって、一時的、あるいは長期間にわたって表に現れる状態です。
私はアメリカでの事例が多い障害だと思っていましたが、日本でも多くの症例があることを最近知り合いの精神科医の先生から教えていただきました。
例えばこんな場合があります。 母親はすごく良い子で手がかからずスムーズに育ってきたと思っていました。 しかし娘は、「いい子でいなくては」と親の気持ちをくみ取りながら生きているうちに自分の気持ちが内側にこもり解離が始まりだしたのです。 報告されている事例は娘の場合が多いですが、息子の場合もありえます。
このような事例は実際に何度も目にしています。母親がまるでマネージャーのように振る舞い、子供はそのコントロール下の芸人のようです。
自分の夢を子供に託さないでください。子供は別人格です。
自分の夢は自分で追いましょう。今からでも遅くありません。
あなたが夢を追うすがたが子供には良い手本になります。
解離性障害が重症化しやすいのは「安心していられる場所の喪失」があります。
日本の場合、家庭内では両親の不仲、家庭外では学校でのいじめがあり、 「安心していられる場所の喪失」とは、逃げ場を失い、逃げることもできずに不安で不快な気持ちを反復して体験させられるという状況です。
何があろうとあなたがいつも子供の味方で、我が家が安心できる避難所であれば子供の問題は悪化しません。
治療のヒントです。
まず第一に安心できる場を作る。(逃げ場)
人格の統合に拘らない。
優しく、親切に接し、生活上の具体的なアドバイスをする。
病気と治療について解りやすく明確に説明する。
自己評価を維持させ、回復の希望を持たせる。
家族、友人(恋人)との連携をはかる。
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