2013/12/12
2011年5月30日掲載の“Science Daily”によると身体的な痛み及び失恋した時の心の痛みは同じ脳の領域で処理されるということが発表されました。
失恋したばかりの40人の被験者に、(1)失恋した恋人の写真と(2)友人の写真を順番に見せ、見た時の脳の状態をFMRIでスキャンし、その分析結果として、身体的痛みを感じる脳領域の脳反応が非常に活性化されているという結果が出たのだそうです。
人の感情を司るのは、前頭葉の眼窩前頭皮質(がんかぜんひしつ)だと言われています。その名前の由来は、眼窩とは、頭蓋骨の眼球の収まるくぼみ部分で、その眼科の真上にある脳領域だからだそうです。人はここで、意思決定の認知処理、つまり自分が感じた感情が何であるかを認識するのです。
失恋した時に、胸が苦しく、熱が出たり食欲不振や倦怠感等で体調を壊したりするのは、感情の認知処理に誤解が生じて、身体の痛みを感じる脳の領域を刺激するからだそうです。
そもそも脳の痛みを感じる領域はさまざまな場所にあって非常に複雑ですから、病気の場合でも体の痛みは炎症が生じている痛みの核よりも広範囲に感じるものだそうです。時には全く違った場所に感じる場合もあります。だから胃が痛いのに心臓の病気だったりする事があるわけです。
まだまだ脳には未知の部分がたくさんあるので理由はわかりませんが、失恋することによって、激しい悲しみや喪失感を感じるような情報を眼窩前皮質が感知すると、身体的痛みを感じる脳領域を刺激するような信号をどういうわけか送ってしまうのです。
微熱、食欲喪失、心の痛み、倦怠感等はこれが原因です。酷い場合はストレス性心筋症という心臓の病気を一時的に起こすこともあるそうです。但し、これは誤刺激ですから時間が経つと痛みは解消されます。「時間が解決してくれる」という言葉はここから生じています。
>> 詳しいプロフィール
© 2009 Neurofeedback Japan